40歳前後からさまざまな体の変化があり、更年期か、うつと思われる症状に悩まされ始めました。
未知の見えざるスピリチュアルな体験を求め、厄払いやタロット挑戦したものの成果は得られず、そんな時に突然の動悸に襲われたのでした。
死ぬかもしれないと思うほどの激しい動悸に、とりあえず循環器科を受診し、その診断結果を経て心療内科を受診することにしました。
心療内科受診
栃木県内にも多くの心療内科の病院やクリニックが存在しています。
僕が何かを選ぶ1つの目安としているのが検索エンジンの口コミやレビューなのですが、病院やクリニックの口コミやレビューの投稿自体少ないのが現状です。
☆5が付けられていても1つの投稿だけでは信じられませんよね。
ただ、その少ない投稿の中でも病院やクリニックのレビューでよく見受けられるのが、待ち時間が長いことや受付や医師の対応について、主にネガティヴな投稿が多いですね。
待ち時間に対しては、予約制にしても先着順にしても前の患者の内容によっては診察時間がずれ込んでしまうことはあるだろうし、受付や医師の対応は、冷静に客観的に見れば医者も事務員も人間ですから、忙しくて自分を見失うってことはあり得ることとは思います。
いや、冷静に、なんて他人事みたいに言ってはいますが、実際に対応が悪ければ今の僕だったら暴言吐いて2度と行かないと思いますが…(笑)
どんな病院やクリニックの評価にしても参考にするには絶対数が少ないわけで、また、実際に診察する医師との相性なんてものは行ってみなきゃ分からないものですよね。
人目につく駅前クリニック
ということで、1番の優先基準を自宅から近い、ということに定め、駅前クリニックに行ってみました。
ホームページを見ると、完全予約制ということで、まずは電話連絡。
名前や住所、服薬や通院状況などなど、訊かれますが、特に気になったのが、「当院はカウンセリング療法ではなく、薬物治療を行います。」という旨、同意を求められたことです。
これは実際に診察を受けて分かったことですが、客観的に事実と症状を結びつけて検証し、その結果診断を下す、ということのようです。
カウンセリングという対話で、慰めたり励ましたり、訂正したり先入観を取り除いたり、患者の考え方や思いの歪みを矯正するということとは異なるようです。
思い返せば、メンズヘルスの先生にしても初診患者からすれば冷たい対応だと言われかねない他人事のような診察でしたね。
あらかじめこの診察方法を知っていたなら、メンズヘルスクリニックでの初診も後味の悪いものにはならなかったかもしれません。
しかしなぜこの人通りの多い駅前に建てたのか?
人通りが多ければ多いほど患者が増えるとでも思ったのか…。
内科ならまだしも心療内科。
心が病んでいる人は人目を避けるものですよっ!
しかも田舎町にビルを建てても空きテナントが目立つ昨今。
入りづらいったらありゃしない…。
身なりを整え、病人と思われないように堂々と行こうっていう気概こそが、…うつ症状を引き起こす大元ですかね〜。
劣等感から来る他人によく思われたいという気持ちこそ、偽りの自分を装うことこそが…。
そんなことを考えながら、ササっと入りました。
問診
平日のせいか、予約制のせいか、待合室には1人もおらず、問診票記入後すぐに診察が始まりました。
まずは現在の症状と問診票に記入された事実を尋ね、確認し、そこから少しづつ話を広げていきます。
広げていくのですが、特にそれぞれの症状が出始めた時期っていうのを細かく訊いてくるんですね。
事実を時系列に並べていく感じ。
時系列に並べられた、それぞれの症状が出たというその事実に僕の思いや悩みをプラスしていくんです。
ですが、それぞれの症状と僕の思いや悩みに関連性があるのかないのかは僕自身にも分かりません。
推測や主観でしかないのですが、そこを先生が補足して結びつけてくれます。
「こういう状況だからこういう症状が出たんだね。」という風に。
診察中は、患者を励ましたり慰めたりする言葉はありません。
ただ、3回ほど、僕の状況に対して共感してくれる言葉がありました。
「私がそういう状況でもうつになるよね。」
「それは辛いよね。」
心療内科とかカウンセリングと言うと、そういう共感や同情などの医師からの言葉を期待してしまうものですが、患者の客観的事実が具体的に分かればこそ共感できるということですかね。
自分のことを知らない人に共感されても嘘くさく感じてしまうでしょう。
診療結果
納得したように「なるほど…。」と何度か呟きながら、診断してくれました。
「抑うつでしょう。」
他にも、適応障害、パニック障害、神経症、自律神経失調症といった単語も飛び交いましたが、ハッキリと診断されたのは、「抑うつ」。
・うつ(抑うつ)…憂鬱、気分の落ち込みのこと。
・うつ病…うつの症状が強く、2週間以上続いていること。
また、だるさや動悸、めまい、食欲がない、などの身体的変化として現れること。
・抑うつ状態…うつ病より軽いうつの症状が出ている状態(像)のこと。
病気ではないとされる。
・躁うつ病(双極性障がい)…極端に活動的になる躁状態と、
憂うつで落ち込むうつ状態をくりかえすこと。
ん〜、僕としては簡潔に話そうとしていたために、うつ症状の原因と思われる悩みや出来事、歪んだ思考回路など聴いてほしいことはたくさんあったのですが、うつ病ではないようです。
先生も「食欲があるのは救いだよ。」と言われたように、食欲は旺盛なのです!
メンズヘルス科受診でたんぱく質不足が判明して以来、食事療法のセルフケアが功を奏したのか?
食べてもすぐにお腹が空く空く。
(ちなみにウォーキングなどの運動は寒さのために休みがち…汗。)
そのためか、うつ病より軽いとの診断でした。
本当のうつ病であったなら、食欲もないだろうし、こんな記事も書けないだろうということでしょうか。
また、動悸については、環境(仕事)の変化についていけない適応障害がきっかけになり、不安と焦燥、イライラが常態化してパニック障害を起こし、それが動悸の原因となったとのこと。
診察の最後には先生も自信を持って「これで大丈夫でしょう。」と、薬を処方してくれました。
薬物治療と処方薬
カウンセリングではなく、薬物療法が専門ということもあり、悩み問答の時間もなく、簡潔に診察は終わりました。
動悸は日中にも起こるし、先生に話していない不安や悩みもあったのですが、とにかく今は動悸によって眠れない状況を改善させるべく、夕食後と就寝前に以下のような薬を飲むように処方されました。
睡眠の重要性
診察中、特に印象に残ったのが、「とにかく眠れるようになること。」という言葉。
余計にも僕から薬の常習性について質問してしまったのですが、まずは、眠れるようになることが治療のスタートラインであるとのこと。
「半減期」という単語も聞かれましたが、眠れるようになってから薬の用量を調整していくようです。
そうか、やっぱり睡眠や食事は重要なんだ、と改めて感じさせられました。
パニック障がいとは
突然の動悸や発汗、ふるえ、息苦しさ、胸部の不快感、めまいといった体の変化をパニック発作と言い、パニック発作と共に強い不安感に襲われて日常生活に支障が出る病気のこと。
パニック発作は、特定の状況で起こる発作ですが、パニック障がいとなると、状況を問わず現れ、しかも発作に対する不安が強く仕事や生活に支障が出るという特徴があります。
パニック障がいとその症状
パニック障がいといっても、症状は人それぞれです。
もし内科的検査によって身体的疾患でないことが明らかであれば、パニック障がいを疑ってもいいかもしれません。
引用元:「パニック障害チェックシート」ファイザー株式会社 こころの陽だまり パニック障害情報サイト
パニック障がいと動悸
僕の症状が上記のチェックシートに当てはまるのは、動悸の他にも窒息感や胃の不快感、気が狂いそうになる、死んでしまうかもしれない恐怖などです。
心電図検査を行っても心臓自体に問題はなかった、という点でもパニック障がいの可能性が高かったのです。
パニック発作によって死に至ることはないとのことですが、その恐怖は他人には共感されず、理解されないことが多いようですね。
「パニック障害・不安障害」厚生労働省 みんなのメンタルヘルス
うつ病やパニック障がい
うつ病もパニック障がいも医学的には厳密に区別できますが、どちらが先にせよ、合併することがあります。
うつ病やパニック障がいの治療
うつ病やパニック障がいの薬物治療には、抗うつ薬や抗不安薬が処方されるようです。
僕の現状では薬物治療の最中ですが、その後は、薬物服用と共に「認知行動療法」などの精神療法が用いられる場合があるとのこと。
うつ病やパニック障がいの治療法
・休養
・薬物療法
・精神療法(認知行動療法、対人関係療法)
認知行動療法
人の考え方や受け取り方のくせを行動によって症状を改善させる方法。
パニック障がいにしてもうつ病にしても、自分が避けている場所や状況というのがあるはずです。
つまり、自分の考え方や物事の受け取り方(認知)に偏りがあるのです。
自分の考え方を考慮しない対人関係療法とは異なり、認知行動療法は自分の物事の受け取り方や捉え方(認知)に焦点を当てています。
その人に合った処方薬の効き目や効果を服薬量によって調整しながら、避けがちな場所や状況に少しずつ慣れていくこと、自分の物事の受け取り方や捉え方を修正していくことで症状を軽減させることができるとのことです。
対人関係療法
自分を変えることはせず、自己肯定感に影響を与えるような重要な他者との「現在の関係」に焦点を当て、対人関係の諸問題を改善していくことで症状を緩和させる方法。
一方、対人関係療法は、幼い頃から絶対的存在である親など、自己肯定感に影響を与え得る人との現在の関係(対人関係)についての問題、不和を改善していく。
タロット編の呼吸法でも触れた、自己肯定感を高めることが、うつ症状を緩和させる1つの方法となっているのです。
自己肯定感が低く、自分を責めてしまい悲観してしまうような人はうつ病になりやすく、それは親などから褒められず認められていないことが関係しているとの考えが根底にある療法です。
一部の周囲からはうつになったその人の努力が足りないことが、怠慢が原因であると決めつけられて理解されることがあるのは辛いことです。
「対人関係療法(IPT)とは」水島広子
うつ病とパニック障がいの原因と自己分析
僕の場合、従来からのコミュニケーションの不得手や不器用さ、人間嫌い、劣等感などによってうつ症状が以前から現れていたと思ってはいますが、今回のように、男性更年期障害を疑うほどの体調変化と初めて経験した動悸が現れた時期を考えても、仕事の変化が主要な原因であると思います。
ただ、それだけではない、テストステロンの減少やお金の問題、家庭の事情、単なる初老(!)の体調変化などなど、本来の言い伝えにもある、本厄という仕事や生活、人生において心労が重なるという時期に、それ相応の悩みや重責がまとめてのしかかり襲ってきた末に、自分の許容量を超えて現れた反応が一連の症状であったと、ここまでのことをまとめておきます。
今後のセルフケア
医学は人間の営みの全てに介入するには限度があります。
薬に頼ることも大切ですが、セルフケア(自己管理)も重要です。
「眠れるようになること」が先決であると言われ、薬によって眠れるようになっても、生活習慣を見直し、生活リズムを整えられるのは、本人次第です。
薬物療法自体は、自己啓発のような人の考え方や物事の受け取り方を変えさせることが目的ではなく、脳の神経伝達物質に直接的に作用して情緒のバランスを取ることです。
その先の認知行動療法によって自分の考え方や物事の受け取り方を修正し、避けている場所や状況に慣れていったとしても、身体的健康が前提でなければ、精神療法も事を成さないということが医学の1つのセオリーであるようです。
体調が万全でないなら身体的体調を整えることが先決であり、人間の根本的欲求である食事や睡眠が万全でこそ治療の第一歩であると。
僕の現状のように薬によって眠れるようになり、また、自分に足りないたんぱく質を積極的に摂り、適度な運動を行い、呼吸法を取り入れ、規則正しいリズムを作る、というセルフケアがあってこそ男性更年期障害やうつ症状、パニック障がいを乗り越えることができるのだと思います。
僕が受診した心療内科では今後どういった療法が行われるのか、どういった薬の用量や種類が処方されるのか分かりませんが、この記事の発端となったメンズヘルス受診からの一連の行動(迷走)のお陰で、よく耳にするありふれた体調改善の常套句も今さらながらその大切さに気付くのでした。
教訓
・生活リズムを整えるべし
・十分な睡眠を取るべし
・バランスの良い食事を摂るべし
・適度な運動するべし
・医師と自分が合わないと感じたらすぐに変えるべし
・適宜薬を活用するべし
・呼吸法によって自分を落ち着かせるべし
・ありのままの自分を受け入れるべし
・大切な人に認めてもらい褒めてもらうべし
・薬の力を借りながら新しい状況や避けている場所に飛び込んでいくべし
まとめ
僕の実情は未だ苦しい状況には変わりありません。
死にたくなる時もまだあります。
それでも死ねないからもがき、行動しているのです。
今抱えている悩みというものは、すぐに解決できる類いのものであれば、それは悩みではなく、解決できないからこそ悩んでいるはずですが、とにかく勇気を持って第一歩を踏み出すことです。
人それぞれ考え方や物事の捉え方も異なります。
医学や薬を頼ることも、たとえスピリチュアルな占いや霊視を信じるとしても、悩やストレスが軽減され、悩みが悩みでなくなるのであれば、それもまた1つのセルフケアだと思うのです。
僕の場合、コミュニケーションの不得手や劣等感、他人への苦手意識が根本にあって、
今でなくても、いずれは取り組むべき宿題であったと思います。
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